サリクス・カンマーコアは、“バッハはいかにしてバッハになったか”をコンセプトに、その音楽の源泉をキリスト教音楽の根源であるグレゴリオ聖歌にまで遡り、バッハの声楽曲をいかに演奏するかを探っています。 団体名の“サリクス”は、装飾を伴うとされる上昇の「ネウマ」の名称に由来。 「ネウマ」とは旋律をどのように歌うかという歌い回しについて書き表わした記号です。 「ネウマ」を解釈し、その歌唱法をグレゴリオ聖歌のみならず、ポリフォニー、そしてJ.S.バッハの演奏にも生かしていくというアプローチを採っています。 当面は、全6曲あるバッハのモテット1~2曲を演奏会後半のメイン・プログラムに据え、前半ではバッハに至るまでに同ジャンルの音楽がいかに発展していったかを時系列で辿ることができるよう選曲しています。 今回の第2回定期演奏会は、葬儀あるいは追悼式のために作曲されたと考えられているバッハのモテット「来給え、イエスよ、来給え」BWV229、「恐れるな、我はともにあり」BWV228の2曲をメインに、グレゴリオ聖歌、オケゲム、ジョスカン・デ・プレ、シュッツを取り上げ、すべて“死”をテーマとする作品で構成しています。