いずれ私の時代が来る—聞け、この黙示録をザッツ管弦楽団は、2001年の「都立駒場高校百周年記念プレコンサート」をきっかけに、翌2002年に発足し、今年で15年目を迎えました。 「熱く!楽しく!」を理念に掲げ、駒場高校オーケストラ部の卒業生の他、都内・関西の大学の卒業生や、現役大学生によって構成されている、若くて熱気のあふれるオーケストラです。 年に1度の演奏会に向けて日々活動しています。 15年目の節目を迎えたザッツ管弦楽団は、今年は2曲に挑みます。 前半のブルッフのヴァイオリン協奏曲では、当団のコンサートミストレスがソリストとして、叙情豊かにロマン派音楽を歌いあげます。 後半はマーラーの交響曲第6番「悲劇的」。 悲劇とは人間が根源的に抱える、絶望と孤独、そして死のこと。 深い苦悩に満ちたこの世界に、絶望を抱えた亡霊たちの呪詛の声が響きわたります。 暗い海の底や、深い闇の中から「すべては無駄である」と。 「伝統とは怠惰のことだ」と喝破したマーラーにとって、鉄槌の轟音は希望が無残に打ち砕かれる音なのか、それとも悪しき伝統を断ち切る希望の一閃なのか。 「いずれ私の時代が来る」というマーラーの言葉を、現代に生きる我々はどう受け止めるべきなのか。 彼の苦悩、そして「悲劇」との格闘の軌跡を伝えられるよう、今年のザッツは自分の内面に向かって、深く、静かに、潜ります。 皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。