ヒネモス第8回定期演奏会のテーマはロシア。 ロシアと吹奏楽はあまり結びつかない方が多いかもしれませんが、ロシア独自の音楽の草創期にあたるロシア五人組の時代(今回のプログラムではリムスキー=コルサコフ。 初の試みとなる監督自身のクラリネット独奏と指揮による吹き振りでの共演)からプログラムの中軸を担うソヴィエト連邦時代の作品(グリエール、チェルネツキー、ミャスコフスキー)まで吹奏楽の原型というべき軍楽隊と非常に密接な関わりをもって発展してきたということができます。 中でも、プロコフィエフと同期の交響曲作曲家、ミャスコフスキーの軍楽隊のための交響曲(当演奏会ではサキソフォンを補った編成の楽譜を使用)は、吹奏楽における芸術作品のひとつの集大成と言っても過言ではありません。 さらに、政治に翻弄されたソヴィエト時代最大の作曲家、ショスタコーヴィチの作品。 そして、ロシア正教の賛美歌にテーマを求めたリードの初期の代表作と、耽美で壮大でロマンティックな所謂ロシア音楽とは一線を画す、シンプルで厳しい、しかしどこかロシアへの深い郷愁を感じさせる作品群。 ヒネモスの演奏会以外では決して聴くことができないプログラムです。 どうぞお楽しみください。
