■曲目のご案内今回は、フランス音楽を三つ、お聴きいただきます。 まず、フォーレ(1845−1924)が16世紀の踊りの曲の形式を借りて織り上げた穏やかな小品、パヴァーヌ。 次はラヴェル(1875−1937)がウィンナ・ワルツへの讃歌として、大編成のオーケストラのために作曲したラ・ヴァルス。 ラ・ヴァルスとはフランス語でワルツのことです。 そして最後はベルリオーズ(1803−1869)の26歳のときの作品、幻想交響曲。 自分自身の体験をもとに、ある女優との恋に破れて絶望した男の内面を、ロマンティックに描き切った傑作です。 イングリッシュホルンなど、斬新な楽器の使い方や、ドラマティックで振幅の豊かな表現など、ベルリオーズが「近代管弦楽法の父」と呼ばれるにふさわしい出来栄えで、のちの作曲家に大きな影響を与えました。 この大作がベートーヴェンの没後わずか3年にして発表されたのは、驚くべきことではないでしょうか。
